2021/02/25 09:50

オンラインショップ開店への道のり

甚大なコロナの影響

Closed sign in a shop window with reflections

長引くコロナの影響は百萬馬力商店にも多大な影響を及ぼし、コロナ前とは全てが変わってしまった。 自分たちが長年『当たり前』だと思っていた飲食業としての成り立ちは人の交流があって初めて成り立つのだなと痛感した。

初めてコロナが報道され1年が過ぎた。当時はまさかここまでの影響があるとは夢にも思わなかったが、このウィルスは我々が普遍的と思っていた日常を激変させてしまった。

二度の緊急事態宣言、しかも二度目は延長され現在2021年2月現在も緊急事態宣言の真っ只中である。当店も当然ながら一般の来客は壊滅的でいっそ営業しない方が得かもしれないと思えるほどである。実際、近隣店舗は1月の緊急事態宣言時から2か月も休業しているところもあれば、日中街を歩くといたる所に解体業者の車が飲食店の解体をしている。

何もしなければ確実に当店もコロナに潰されてしまう。しかし人は出歩いていないし、そもそも飲み歩く空気感もない。 ごく一部緊急事態宣言を受け入れず闇営業をしている店舗もあるが、やはりこのご時世に夜遅くに飲みに出る人は総じてリテラシーの低い人が多いらしく、盛大にトラブルを巻き起こしている始末。 なかなか通常の営業は難しい。

しかし二度目の緊急事態宣言が出た際にふと思った。 飲食業界はなかなかにやることの多い仕事ゆえに、日々の業務をこなしながら経営の見直しや改善、次期商品の開発やマーケティングとやることはてんこ盛りなわけだ。 

しかし良くも悪くも飲食業界は政府が協力金を支給してくれている。 この額が多いか少ないかはさておいて、なにも貰えないよりはずっとましである。何の協力金も貰えない業態だってあるなか幸いと思うべきだろう。 

しかも今は未だかつてないほど考える時間も行動する時間もある。 その気になればなんだって出来る。そう思うとしばし休業してゆっくりしようなんてことにはならない。 

だって何かしなければ生き残れない。ましてこれからはコロナで激変した中で戦わなければならないのだ。 

そう思ったが吉日。ありとあらゆる策を講じてみようと2021年冒頭から無い知恵を絞りに絞ってみたわけだ。 

するとどうだろう。自分もこの業界は20年以上のキャリアがあるが、今回は『今年の忘年会はどうしよう』なんて次元では通用しないわけだし、むしろ【忘年会】そのものが消滅する可能性だってある。今まで培った普遍的な常識が通用しないわけだ。 

これほど経営的な思考を超えて、『飲食店のあり方そのもの』を考え直さなければならないという、とてつもなく大きな課題が見えてきた。

飲食店のIT化を本気で考える時が来た。

A typing hands on the laptop computer.

飲食店そのものを変えるためには、既存の箱物商売だけでは到底このコロナ時代は生き残れない。人々も夜飲み行くなんてリスクは侵せないため当然外食は避けてしまう。従来の飲食モデルが全く通じないのだ。

しかし現代に生きる我々には幸いにもインターネットという超巨大ネットワークがある。こんなにネットが普及しているのだから使わない手はないということで『飲食店×IT』作戦という一大事業が百萬馬力商店にて粛々とはじまったわけだ。 

と言っても何から始めようかと広大なネットの海を彷徨った末に『オンラインショップ』という普通の答えに行きついた。  ただネットで買い物はよくするが売ったことはないわけだ。しかも商材は食材。

これはハードルが高い…が始められなければ終了である。少なくとも当店としては一大チャレンジだ。 

しかしやることが決まればあとは行動のみ。

そこで店内に一つだけあった個室を、密を避けるためという名目で事務所に改装。私自身、兼業でデザインの仕事もしているため、いままで大衆酒場にはおよそ不釣り合いな巨大なモニターやpc数台、無数のマウスにキーボードがレジ横に所狭しと鎮座し、会計のたびにお客さんに『なんすか、これ(笑)』といじられ、間違いなく重度のゲーマーだと思われたに違いない。

そんな山盛りの機材をせっせと個室に引っ越し、今ではあんなに広かった個室が配線とテイクアウト用のパックと配送用の段ボールの山と化したわけだ。 

話はそれたがオンラインショップ開業という目標が決まってからは、日々契約メーカーと商材打ち合わせ、ネット販売サイトの構築、保健所の許可申請、配送法の確立、器の選定、また同時進行でウーバーイーツも始めるための審査や書類作成、zoomセミナー、など怒涛のように新しいことを始めた。 

本ブログもその過程で始まったわけだ。 

ただ言い方はおかしいかもしれないが、当店は私一人で切り盛りしているためこれら全てを一人で進めていくうえで、異常なほどの達成感があるのは否めない。

ここまで満足感を得るのは開店準備依頼何年ぶりかであろうか。

コロナで厳しくなったおかげで新しいことにチャレンジできたのは唯一コロナの功績といえよう。毎日こんなにも長い時間をPCの前で過ごした経験は一度もない。 

オンラインショップを始めました。

こんな経緯で生まれた当店のオンラインショップ。本記事を執筆時は開店直前なわけではあるがコロナが生み出しし、新たな百萬馬力商店の形はこれからの飲食店には必須の形かもしれない。

このネット上で新たな飲食の形、もっと言えば人々の『食の形』が変化し、暮らしが大きく変わっていく大きな変換点の中を生きているわけである。これからはさらに便利で快適なサービスが生まれてくるだろう。 

そのたびに百萬馬力商店も姿かたちを変えながらも、全国の皆様に『美味しい馬刺しを提供する』という本質だけは変えずに存続できる店を目指していこうと思う。 

どうかコロナで大変なときも、美味しい馬刺しを食べてひとときの幸せを過ごしていただきたく思います。

百萬馬力商店オンラインショップ

https://hyakumanbari.base.shop